社会との問題との実行的対処の仕方を書いた一冊 書評 悪あがきのすすめ 辛 淑玉

By | 2016年12月25日
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在日朝鮮人と日本人

本書を読んでいて、まず在日朝鮮人の人々の境遇ついて非常に考えさせられる一冊です。

在日朝鮮人問題は戦時中の強制徴用もしくは戦後の混乱期の密入国であったり、それに対する日本政府の対応として帰国事業が実際にあった事も私は知っています。

ただ、それらの政治的背景を差し置いたとしても、在特会を見るまでもなく、在日朝鮮人に対する日本人による差別的言動があるのも事実ですし、本書は日本で朝鮮人が差別されている事を前提において書かれた一冊となっています。

実際、本書の最後の方に書かれているのですが、この著者の弟が反社会的勢力への参加した事実も書かれていますし、また、そうせざるを得なかった事実もあるのでしょう。

そのため、著者の主張している事、もしくはその主張の前提のすべてが正しい、との読み方をする本ではないと思います。あくまでも問題提起としての一冊であると考えながら読むと面白いと思います。

読む人によっては、イデオロギー的な側面を強く感じるでしょうし、実際、私も本本からはそれを非常に強く感じました。

しかし、それは本書の本質的な面白さついては全く関係はありません。ただ、読み手を選ぶ一冊であることは確かです。

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問題解決のための最適の一冊

「悪あがきのすすめ」とタイトルにありますが、それは著者が実際に様々な手段や方法を使った実体験として書いているので、現実社会において困難な事態に直面している人にとっては、それらに対し解決のヒントを与える一冊であることは確かでしょう。

社会的に弱い立場に置かれた人々であれば、その社会に対してどのように対処していくのか、それは必ずしも直球勝負ではなく様々な方法がある、そして絶対に諦めずに少しずつの勝利を掴んで行く、それらの「きれいではないけれど現実に対処する」方法を書いている一冊だと思います。

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私が著者に共感する点

この著者に私が非常に強く共感するのは、日本政府の行っている弱者に対する非常に無慈悲な、そして官僚的な、もしくは官僚たちの面子を最優先する、そんな政策に対してストレートに怒りを示している事です。

最近のwebの傾向として、やたらと愛国や国益などと、ご大層な上から目線の論評がもてはやされますが、本来、国を愛する、もしくは国益などという言葉は、まず国民一人一人が幸せになり、その上で考えるべきでテーマである筈です。

けれど、それがこの国ではできてない。

個人の幸せよりも国家の繁栄

とでも言いたいのでしょうか?国家とは一体何か?それは為政者や金持ちのことではありません。国民が幸せでなければ健全な国家など成り立ちません。

それらの、おかしな現在の社会システムに対して、弱者がいかにして対処すべきか?それは言い換えるならば、ブラック企業、派遣、ニート、フリーターなど、「生きづらさを強制させられている」人々に対して現実に対処する大きなヒントの一冊となりうる一冊なのではないでしょうか。

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