過重労働を肯定する国としての労基法「改正」に見るお粗末さ

By | 2017年7月13日

労基法改正で透けて見える為政者の本音

結局、その法案は提出されませんでしたが、労働基準法「改正」における残業上限時間は80時間だったそうです。つまり、この国は。
「働く者は過労死を合法にします」
と言っているようなものです。しかも、その上限案にしたところで、罰則は現状のままの極めて微罪ですし、また、休日労働は含まないという、そんな法律は悪意のある企業からすれば痛くも痒くもないようなものでしょう。

先の電通過労死事件において、結局、誰一人逮捕されることもなく、日本の労働環境におけるお粗末さぶりを晒した事を考えれば、この国の為政者達は、さも「何か対策をしたかのように」法改正をし、それは全く具体的な罰則も、実効性もない空虚な法律を作ってお茶を濁そうとしていた事に他ならないことでしょう。そこに、過重労働を根本的に見直そうという意識はまったくないのでしょう。

そもそも行政に本当に労働基準法を守らせる、過重労働をなくす、という意思があるのであれば、現在の法律でも十二分に企業への厳重な取り締まりは可能です。また、労働基準法によって懲役などの実刑を受けさせる事も十分に可能です。しかし、それらは現在全く行われていません。

なぜ労働時間に対する厳格な法的措置を社会が取る事ができないのでしょうか?

その理由として、あまりにもこれまで、いい加減な労働時間の管理、すなわち、それは企業に対してサービス残業の黙認などの形による利益行政は与えてきた事実が存在します。

また、企業もそれが当然であることが前提のもとに企業を運営してきため、厳格な労働時間の規制を行われると、過重労働なしでは、企業の運営そのものが立ち行ではない、という極めて深刻な、そしてお粗末極まりない根本的な問題があるのでしょう。

また、近い将来、商法が改正され、商法の債権の請求期間、つまり、請求書の有効期間が5年に延長されるそうですが、労基法のサービス残業代請求期間は2年間のままです。

なぜか労働基準法のサービス残業代の請求期間「だけ」は時効が延長されないそうです。まさに、これは為政者によって、意図的に働く者の権利がことごとく軽視されているに等しい事ではないでしょうか。

サービス残業とは、それは企業犯罪です。企業が犯罪行為を行うことによって不当に得る利益です。それに対し、企業と対立した場合、法的に極めて脆弱な個人がサービス残業を請求できる期間が、「たった2年」(企業の様々な請求における時効は5年であるにもかかわらず)である事は法律的に極めてアンフェアな状態であると言えるでしょう。

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国家が働く者を守らない、ニッポン

この国は働く者を守ろうとしません。それは何故か。この国の法律をつくる為政者たちの多くは二世、三世議員であり、国民の生活など、正直、どうでもいいのでしょう。

なぜ今更サービス残業の議論が出てきたのか。それは今回の場合は電通の事件があり、国民の過重労働に対する世論が強くなっため、何かをした、というポーズをしておけば国民の怒りが収まる、とでも思っているのでしょう。

だからこそ、労基法「改正」案はあっさりとお流れになったのですが。

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とはいえ、労働基準法を「守らざるを得なく」なる

しかし、ここまで書いて反論的な論点になりますが、実はわたしは今後は労働環境は比較的、良くなってゆくのではないのか、と考えている部分もあります。

それは、少子高齢化により、これまでのような劣悪な過重労働をおこなわせるような労働環境では人が集まらなくなる問題があります。事実、今年の新卒の求人倍率は改善されていますし、また、派遣会社などでは、「都合のいい人材」を集めるのに非常に苦労をしている状況が生まれています。

また、いわゆる「外国人研修生」の名のもとの外国人労働者についても、そのような劣悪な労働環境が海外にまで喧伝され、彼らの国から研修生自体がやって来なくなる日が、そう遠くない将来に待ち構えている事でしょう。誰が好きこのんで、劣悪な労働条件の日本に来てくれるのでしょうか。

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巨大なブーメランが企業を襲う日

好意的に考えるならば、今後、人口が減少する状況下において、会社を回していくためには一定程度の長時間労働が必要になる事は理解できます。

しかし、今更、人材不足と言うのであれば就職氷河期の真っ盛りにその企業は一体何をしていたのでしょうか。

問題企業を中長期的スタンスで考えるならば、氷河期の時にこそより良い人物を集めそして、企業の人材を形成するべきであったのではないでしょうか。

ところが、日本企業は全く逆の行動、すなわち学生の足元を見る事によって、劣悪な過重労働が当然、ともいえるような労働環境で働かせ、劣悪な社会状況を作り出してしまったのです。それは今、企業に巨大なブーメランが自らに向かって飛んで来ているのを必死にそれを防ごうと、最後のあがきをしているにすぎません。

企業に対する選択肢の増大

しかし、それは視点を変えてみれば、今後、働く者の選択の幅が多い広がることです

つまり、社会はこれまで自分達が行なってきた、あまりにもいい加減な、そして、あまりにも会社企業にとって都合のいい働く者の働かせ方を行ってきたことによって、自滅への道を歩んで行かざるを得ない状況になっているのです。

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