将来の自動車の形としての箱型自動車
将来的な自動車の形として、今までのセダンタイプ車は非常に少数になる、のではないかと考えています。
また、現実的に今セダンタイプの車自体が少なくなり、ミニバンタイプの車、ヴォクシーやノアなどが売れています。
また、同じように軽自動車でも、そのようなミニバンもしくはワンボックスタイプ、つまり、ムーヴやNワゴンなどが多数販売されています。
確かに、それらの車は広く、車中泊などにも利用できます。
ちなみに余談ですが今、車中泊車が盛んにウェブなどで取り上げられていますが、私は車中泊については、かなり否定的な意見です。
なぜならば、今の治安が悪化する日本において車中泊をする事は、それは旅行中、一定程度の現金を持っているにもかかわらず、不特定多数の集まる場所において就寝をする行為であり、悪意を持つ者にとっては格好の標的となりうる極めて危険な行為である、と私は認識しています。
悪意を持った人間よりは、まだ野生のクマや鹿や猪のほうが、いくらかマシでしょう。
ワンボックスカーの隠れたデメリットと今後の自動車
そのような、ワンボックスカーの室内空間の広い自動車であったとしても、結局、車の中で人間が立つ事はできません。
車の中で立つ事ができるのは、現時点ではキャンピングカーの専売特許になっていますが、もし、車の中で立つ事ができれば、それは移動するリビングとして考える事が可能です。
それは自動車が始まって以来、非常に革新的な考え方の変化となるのではないでしょうか。
つまり、自動車は移動のための手段から、自分の住んでいる場所を拡張するための手段に変化する事になります。
これは非常に楽しいことではないでしょうか。
休日に、どこか見晴らしの良い場所に行って、最高の景色を見る事ができるもしくは、土日にどこか自分の好きな場所に行って、そこで宿泊をする事ができる。
それらの行為は、これまでの「車」の枠組み、車のあり方、を大きく変えるものとなるのではないでしょうか。
確かに今まで、キャンピングカーの存在は、ありましたが、より身近な存在として存在する事になります。
技術と自動車のあり方
実際、そのように「車の中で立つことのできる」自動車を作る事ができるのか、と考えた場合、技術的には以下のような点が考えられます。
インホイールモータ
バッテリーの規格化と分散配置
法的項目を遵守した車高の獲得
などが挙げられるでしょう。
上記の2点についてはこれはバッテリーの進化を待たねばならないでしょうし、まだ数十年程度は技術的に難しいかも知れません。
しかし、残りの3点目、車内で人間が立つ事ができる高さの獲得面においては、近い存在がすでにあります。
これは車内で立つ事を目的とした機能ではありませんが、いわゆるキャンピングカー的な要素としてボンゴフレンディという車がありました。
それは停車時に屋根を開閉する事によって高さを獲得する、との考え方でした。
このような考え方を他の軽自動車などにも軽自動車屋一般のワンボックスにも適用すれば、停車中には車内を立って歩く事ができる空間を作る事ができます。
おそらくエンジンなども希望的観測からすればダウンサイジングターボなどの技術を用いて、エンジン自体の小型化によりエンジンルームの占有体積が少なくなるでしょうし、車内の広い空間を得るための技術的な解消策は十二分にありえるでしょう。
また、車内の床の高さは低くする意味においていわゆるNバンが軽自動車の商用車ながらFFレイアウトを採用する非常に面白い試みもあります。
また、古くはフランスのシトロエン車のアッシュトラックはトラックであるにも関わらずFF車のような事例もあります。
現在の軽トラックなどは後輪への荷重のかかりやすさ、などからFRが主流ですが、もしかすると、今後は移動する道具としての車には室内空間の確保意味でFF車が採用されるのかも知れません。
将来的には安全保障型のパーキングができる可能性
現在のオートキャンプ場という考え方がありますが、よりそれが一般化した考え方、すなわち、電源のみを供給する簡易的な駐車場の拡大版としての考え方が成り立つのかも知れません。
そのような電力供給付き駐車場に行き、自分の机を電気代と駐車場代金を払う事によって自分の車すなわち、事務所や住居で仕事や休憩をする事ができる、それはなかなか面白い選択肢の一つと言えるのではないでしょうか。
車は2極化、もしくは、3極化する
近い将来的に自動車は以下のように分類されるのではないでしょうか。
軽自動車
箱型自動車
高級車(スポーツカー)
つまり、今の実業初等スポーツカー的な自動車そして、高級車枠組みに、さらに移動するリビングとしての自動車の枠組みが出てくるのかも知れません。
とはいえ、そこまで独自発展をできるのか
そもそも現在の自動車産業において、自動車自体が衰退する国とになろうとしている状況にほかなりませんが。
自動車の独自発展云々の前に、車を持つ事ができない者達が125ccのスクーターで生活を完結させ、そもそも車を持たない状況が増えています。
そのような中で、車は自動車としての役割ではなく現在の住んでいる場所から分離する空間としての役割を、今後の日本の自動車会社はより実用的な道具として「提案せざるを得ない」状況になる可能性はありうるかもしれません。
![]() ![]() ![]() |