かつて勤めていたブラック企業についての感想
以前、ブラック企業に務めていた時に書いていたブログのログが出てきたので、再編集して掲載します。当時とはかなり、物の見方が変わっているので、当時とは異なった新鮮な目で自分自身の文章を読む事ができました。ちなみに、当時働いていた企業は今の職種とは全く違うものです。
身バレを恐れるため、具体的に何年前の出来事であるかは書きませんが、これだけ「求人難」と言われる状態の社会であっても、ブラック企業が全く無くなっていない時点で、この社会の「企業優先体質」が透けて見えます。
当時の感想文の転載
今の会社を退職しました。不安よりも晴れ晴れとした気分の方が大きいです。毎日会社に行くのがイヤでイヤでたまらなかった毎日でした。典型的なワンマン経営のブラック企業で、スキル的なツブシも他業界にに対しては全く効かない業界でした。
また、社内の人間関係は最悪だわ、正直、思い出したくもない企業です。
しかし、それ相応に得るところも大きかった気がします。これまで勤めた中でも超絶ブラック企業で、しかも給与もかつて無く低く、貯金がないため、一時的に辞めるに辞めることができない、そんな、とんでもない状況を味わえましたから。このブラック企業に努めて得た、ブラック企業の観察での観察事項を箇条書きします。
企業形態であれば極めて行政の監視が弱い
これがブラック企業がはびこる最大最悪の原因と言えるでしょう。行政は徴税権を行使するときだけは必死になって、企業で社員が劣悪な労働環境にあっても見て見ぬふりをするものです。
労働基準監督署や動労基準法などの存在は「先進国ヅラ」をするためのダミーに思えてなりません。
「公的補助」と言う名の血税の脱法企業への投入
詳細を書くと業種が特定されてしまうので書きませんが、私の努めていた会社で公的資金の間接的横領と思わしき事項が有りました。
あくまでも例え話として書きますが、
「新入社員の教育のための公的基金が存在し、それはOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を行うためののものであるにも関わらず、公的基金を受け取りながら、事実上、単なる労働者として、残業代も払わず使っていた」
状態でした。
ただ、それはその企業1社のみが行っているのではなく、その産業の多くの企業が行っていることと聞きます。つまり、その業界には遵法意識は皆無ですね。
業種が分かってしまうので、あまり詳しく書けないのですが、行政側は業界ぐるみの脱泡的なサービス残業を見て見ぬふりどころか間接的に加担している状態とも言えます。
※追記
何の業界であったかは書きませんが、私の退職後何年かして、その業界での劣悪な労働環境が全国ニュースとして取り上げられました。しかし、その業界では業界ぐるみで隠蔽を図りました。
役員、と言う名の家族経営、そして我が物顔
社員を丁稚小僧位としか思ってなかったでしょう。この企業。親族で美味しい部分の部署だけ「働いて」、高級外車で「営業車」ですか?
「法律に則っていれば」何をしてもいいと思っているのでしょう。そもそも、サービス残業などで、法律すら守ることができていませんが。
(労基法の)無知こそ最強
私の会社辞める時に有給を全て消化して辞めたのですが、
「そんなことをする社員を君が初めてだ」と怒鳴られました。
怒鳴られたところで、権利は権利なので使いましたが。こちらもボイスレコーダ、タイムカードの撮影など、「証拠を収集している素振り」を意図的に経営側に見せ、「事前周知」はしていたからこそ、可能であった対応でしたが。
家や家庭を持つと辞めるに辞めれない。
イヤイヤ働いていたので正直、いつでも逃げるつもり満々だったのですが、実際にその会社を辞めるときに、周りの社員からかなり言われました「私は辞めたくても辞める事ができない」と。まあ、家族を持つと、「人質」を取られたような状態でしょうから…。
ブラック企業での唯一の教訓
この企業に勤めて最大にして唯一の教訓といえば、
企業とは、どんなにムチャクチャなことをしても「企業ヅラ」をすることができる。
ということでしょうか。株式会社、というと一見まともそうに見えますが、それはあくまでも「会社形態」を指しているのであって、有限会社だろうと、もしくはLLC,LLPであろうと、まともな企業はまともですし、そうでない企業はそうでないということです。
残念ながら本当にこの国は税金を集める時だけは行政は必死に仕事をして、そして労働者の権利など全く見向きもしないというものなのですけどね。
結局、労働基準法が機能しない、もしくは、それを機能させるために周到な準備が必要とされる、または、労働基準法での時効がたった「2年」などの、明らかに企業側にとって有利な状態が今の社会をさらに悪化させていることは確実でしょう。
その後、私は少しの業務の継続性を持ちつつ、全く違う分野に進むことになりますが、それについては、また別の機会に。
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