ブラック企業を辞めると企業側はどのように対応するか、企業から見た事例

By | 2018年12月25日

ブラック企業の内側から見た「人が辞めた時」の対応

実は、この記事はブラック企業の内側から見た記事となっています。

つまり、私が以前勤めていたブラック企業で、人が辞めた際の出来事を内側から見た記事となっています。

そのため、私が普段出張しているリベラル的な意見とは若干、印象の違った主張と思われるかも知れません。

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突然、従業員が辞めた

以前勤めていた会社で実際に起った事を記述します。

そろそろ書いても大丈夫かと。もちろん、一部、事実関係をぼかして書いています。

ある部門の社員を雇ったのですが、もともとブラック企業であるため、ともかく人が来ません。

ようやく、新しく雇った人物は、前職で同種の仕事を経験していため、その部署を一人で回す事ができるであろう判断し、ある部署を任せる事にしました。

とはいえ、試用期間は長めに取りますが。

ちなみに、この国の試用期間制度は、は判例によって1年まで伸ばす事が可能という、まさしく企業にとって都合のよい制度に他ならないのですが。

さて、その人物に、ある仕事を任せて回していたのですが、色々と、その部署は他部署との関連があり、仕事自体は、「とりあえず」できているように見えるのですが、その後の工程などで非常に差し支えのある部分、つまり問題を、その人物が作り出すなどの事もあり、その人物と、他部署、とくに後工程との人間関係が非常に険悪なものとなっていました。

一言だけ言わせてもらうとすれば、「こちらが教えた事は、教えたとおりに行ってくれ、勝手に自分で改良を加えてはならない」でしょうか…。

結局、その前後の部署の者が、「その人物に勝手に今までのやり方を変えてもらうと困る」という話になり、業務自体は回っているが、試用期間内であるため、その者を正式採用は行わない、もしくは試用期間経過後に、期間限定従業員として再雇用をする、という話に、なりかけていたのですが…。

ちなみに、法律的には試用期間終了後、一旦解雇し、その後、期間従業員として採用する行為自体は、法律的には問題はないと思いますが、モラル的には、まったく褒められた行為ではありません。

さて、ここからが本題です。

その従業員が、ある日、突然、辞めました。

しかも、

会社の雰囲気が私には合いません。その結果、病院に行き、精神的な重圧による胃炎と診断されました

との書き置き手紙を置いて、辞めたのです、この人。

さて、ひとつの工程を任せていた人物が突然やめると、どうなるか。

想像するまでもないのですが、会社全体が非常に大きな影響を受ける事になります。一つの工程が機能しなくなると、同様にその前後の工程も同じように影響を受けます。

正直なところ、会社に経済的な影響が少なからず出ました。

なぜならば、納期を絶対に守らなければならない私の所属するの職場において、一工程が抜ける事による、職場全体への影響は計り知れず、結局、前後の工程の者が、抜けた人物の作業を折半する形で行う事になりました。

しかし、その者達の労働時間の増加、不慣れな手順による修正時間を要する事、取引先の不信感など、その経済的損失は、「辞めた者の給料のレベルの比ではない」金額となりました。

ブラック企業などで、従業員が辞めると損害賠償をする、などとの言論がありますが、実際問題として、突然、従業員に辞められると、企業には少なからぬ経済的損失が出る事は事実です。

もちろん、現行の労働基準法では2週間前に働く者が辞める意思を通知すれば、何ら法的問題はないですし、また、その期間に有給を消化する事も合意があれば何ら問題ないはずです。

ちなみに、「辞める意志の通知」であり、会社側の同意の有無は関係ありません。

そのため、本人が辞めたいにもかかわらず、辞める辞めないで会社と揉めている時に、一番簡単な事は、内容証明で辞めると2週間以上先の辞める日程を送りつけるのみです。

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企業にとっての弱点

さて実際に、その人物が突然退職したことにより、その者が担当していた前後の工程で大きな影響が出て、かつ、会社にも経済的な損失が出る状態になりました。

当然、会社の中には「ふざけるな。」の声。辞めたその人物の話になると、「そんな人物は懲戒解雇扱いにするべきではないのか」と、ブラック企業の中で議論をしていました。

しかし、結局、経営者は何もしませんでした

しかも、司法書士にお伺いを立てた、にも関わらずです。

なぜならば、会社にとって、社員が体調不良のため辞めた、特に、それが精神的な原因である、その精神的な原因が自分の企業の職場であると主張された場合、病院、病気系を出されると、企業は非常に弱いのです。

また、パワハラなどを行っていて、「記録を残している」と言われると、様々な憶測を経営側は勝手に行います。今回は、記録については、そうではありませんでしたが。

また、これは重要な点ですが、その企業は過去に一度、労基に入られた事があったため、そのような主張を再度、労基で行われると、会社がとんでもない事になると、経営側が考えた事も大きいです。

※後日追記※
勤務が原因で病気や怪我をした場合は労働災害になります。労働災害は労働者災害補償保険による公的な負担となります。

その場合、怪我の回数などによっては保険料の値上がり、または労働局の立ち入り調査などが生じます。

また、「労災を隠す」事は、発覚した際、更に問題を悪化、深刻化させます。

つまり、会社側が労災の話につながることを恐れたため、辞めた者への追求を止めたのでは、との指摘を実務に詳しい方より、いただきました。

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ブラック企業の嫌がる労基の動き

実は、企業は労基に入られることを極度に恐れます。

なぜならば、労働基準監督署とは

動きは極めて遅いし、極端に企業側にとって都合の良い推定無罪を行うが、一度、調査に入られた企業は、再び調査に入られやすい

ためです。

とはいえ、それは役人的な、「一度、労基法違反を行った会社は、再度、労基法を破る可能性が高い」、すなわち、調査で必ず摘発する、言い換えれば、絶対に「労働基準監督署が摘発できなかった」、とのミスを出さないために、そのような行動を取るのでしょう。

また、ブラック企業を辞めた社員から「サービス残業代の絶対的な証拠がある」と聞かされるのも、非常に圧迫に感じるでしょう。

逆に、辞めた社員に損害賠償の脅しをかけるブラック企業が存在しますが、よほど事実の隠蔽に自信があるか、常識がないか、のどちらかではないか、と思ってしまいます。

総論として

つまり、ブラック企業から辞める時は、誰がどう見ても、その企業はブラック企業であると証明する内容、労働時間の開始時刻と終了時刻の自分の手帖への記入などが必要です。

そして、業務指示などの有無についても、有った、無かったと言わせないために労働時間の全てのボイスレコーダーに記録が有効です。

また、終業就業規則の開示を行わせる事など、誰がどう見てもブラック企業であると言い逃れのできない状態にして、体調が悪いと言って辞めれば現実的には企業側は働くものが辞めるのを止めることや、辞めたことによる経済的損失の請求は、非常に難しいでしょう。

それを行えば、ブラック企業が、逆に返り討ちに会いかねないのですから。

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