
インターネットは、やがて信頼のできないメディアとなる
私はこのブログで、個人ブロガー達のアクセスありきのアフィリエイト記事について散々批判を行ってきましたが、2018年現在、そのブロガー達が危機に面相としている、言われます。
なぜならば、それまでブログや達が「このサービスが良い」「このモノが良いと」囃し立てきた行為を、企業が行おうとしている、もしくは、企業がすでに行なっている現実に変わりつつあるからです。
確かにアフィリエイト記事を、企業が自分の企業の名前で責任を持って書く事によって、アクセスありきのブロガー達の書くアフィリエイト記事などよりは、幾分マシな読むに耐えうる文章となり得るのかも知れません。
しかし、それらの読むに耐え得る文章にしたところで、金儲け、もしくは、何らかのサービスや物を売りつける事を目的にした文章に他ならないのです。
それはすなわち、企業が書く事によって、より当たり障りのない、まるでどこかで見たような、もしくはWikipediaの記事を引き伸ばしたかのような、そのような記事がさらに組織的に大量生産されて行くのでしょう。
それはすなわち、インターネットにおけるテレビ化が進行するとも見る事もできます。
インターネットのテレビ化
つまり、テレビのような、信用に値しない、偽りのキャッチーさと物事の本質を考えさせないプロパガンダ装置のような働きをするのでしょう。
話はやや飛びますが、いわゆるネット右翼達と呼ばれる者は、テレビを信頼しない十代の若者達に対する為政者側のプロパガンダ的な存在、もしくは何らかの為政者側の意図があって、そのような「流れ」が作られているのではないか、とさえ私は考えるのです。
さて、そのようにWeb上に企業の意図をもった記事が溢れる事によって、私はインターネットが信用できないメディアになり、その結果、書籍が再び一定程度の復興を遂げるのではないか、と考えます。
つまり、書籍は、それ自体が商品であり、書籍を売る事による商売です。
それらの劣化的な行動として、情報商材、もしくは、有料コンテンツなどと自称するサービスが現在存在しますが、しかし、それらは読むに耐えない文章が多々ある事が現時点の状態ではないでしょうか。
つまり、自称ブロガーと名乗る者が、「こうすればブログで儲ける事ができる」「こうすればアクセスを集める事ができる」などと称し、その情報商材や有料コンテンツを買う事によって、あたかも何かができるかのような幻想を売りつけるための存在、それは精神的な栄養ドリンクとでも呼べば良いのかも知れません。
電子書籍は甚だ使いづらい
紙の書籍の復興とは、現在のAmazon Kindleや楽天 コボなどの、いわゆる電子書籍が甚だ使いにくい現実も合わせて考えるべきでしょう。
私はある電子書籍リーダーを持っているのですが、これが使いにくい。本当に使いにくい。私は書籍を読む速度はかなり早いのですが、その読む速度にレスポンスがついて行かないのです。
また、言うまでもありませんが、電子書籍ではザッピング、つまり、紙をパラパラめくり、情報を探すことがができません。
ザッピングのできない書籍に何の意味があるのでしょうか。検索機能? それは極めて回り道的な機能でしょう。
書籍を物理的に読む行為とは、本の重さ、本の手触り、インクの香り、本をどこで物理的に選んだのか、その時のその空間と時間、それらとのハーモニーの上に、読書とは成り立つのではないでしょうか。
それらを単なるデジタルインクの文字情報としてだけ書籍を扱おうと考えるのは甚だ短絡的であり、単なる文字コンテンツの販売、すなわち、小説などの読み捨てのコンテンツには向いている媒体かも知れません。
しかし、じっくりと読み、考える、時には線引きをしながら、自分のお気に入りの空間で本を読む。それらの行為は紙の本で行いたい、と私は考えるのです。
もちろん、将来的な書籍は、今のようにオフセット印刷を使って一定のオーダー数がなければ印刷をする事のできない、そのような印刷方法は厳しいかも知れません。
現実的にはオンデマンド印刷のような、一冊や数冊単位から出版する事のできる方法が必要となるのでしょう。
しかし、本を発行する出版社、絶対に必要です。なぜならば、出版社自体がネームバリューとなり知識の裏付けとなるためです。
その出版社から出す事そのものが、意味のある行為であると読者は認識するのですから。
自称「何千万円儲かった」などと称するブロガー達や、自称オピニオンリーダーと称するブロガー達が書籍を作る際には、彼らの意見に編集者がかなりの手を加えねば、書籍として成立しない、とさえ聞いた事があります。
総論として
ネットが弱肉強食の、そして、資本主義のむき出しの荒れ果ていた荒野となった先には紙の本の復興があり得るのかも知れません。
もちろん、そこにはデジタルデータとの一定の融合はあるでしょう。しかし、書籍の出版社とは、ネットの時代であるからこそ、新たな輝きを得る可能性があるのではないでしょうか。
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