人手不足を回避するためには何をすべきだったのか 無為無策のツケ

By | 2017年6月23日
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無為無策のツケとしての人手不足

現在、労働力人口が不足していると言われています。これに対しマスコミは日本がロボット産業の推進による解消、外国人研修生の受け入れを行うことが可能になる分野をさらに広げよう、などとの議論が生じていますが、これらはいずれも問題の核心からは遠くかけ離れたものです。

それは、問題の根本から目をそらさせるための、全く場当たり的な議論と言わざるを得ません。

なぜ、現在このような労働力不足になってしまったのか、その原因とは一体何であったのかを今日はこの記事で書いて行きます。

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何をすべきだったのか

結論から書いてしまえば、就職氷河期と言われた2000年代初頭において、週休二日制の強制導入や、労働基準監督官の大幅増員などによって労働環境におけるワークライフバランスを導入し、労働基準法における規制強化、また、同一労働同一賃金などの導入によって強制的に雇用を作り出す必要がありました。

また、それらの行動によって、当然、ブラック企業は淘汰されたでしょうし、それによって健全な産業を成長させるべき時代でした。しかし、現実には行政も立法もそれらの時代に、何もしませんでした。まさしく行政不作為の結果が現在の社会です。

ちなみに私は同一労働同一賃金のとは、まやかしの議論であると思っています。

なぜならば、派遣労働者とは極めて不安定な身分であり、「企業にとって都合の良い雇用」であるにも関わらず、「同一賃金、同一労働」、「すら」できていない。状態を糊塗しているに他なりません。

本来、派遣労働者は雇用状態の不安定な労働環境であるからこそ、正社員よりも高い賃金を支払われるようになるのが自然なあり方ではないでしょうか。

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目先の利益の追求の結果としての日本

また、他方では劣悪な労働環境の放置と、企業の目先の利益を追求した事も、現在の「人材不足」の原因ではないでしょうか。

バブル崩壊後に、為政者、経営者たちはこう考えました。「収入が入らないのであれば、働く者に支払う金額を絞ればいい」と。そのためリストラという名の首切りが多く行われました。

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製造業派遣による雇用の破壊

しかし、決定的な転機とは製造業への派遣導入ではないでしょうか。それまで製造業に関して、派遣労働が禁止であったにも関わらず、小泉構造改革などと称する法制度の改定にによる製造業における派遣労働が導入されたことによって、本来あるべき姿の雇用が破壊され、その結果として、少子高齢化につながったのです。

無論、2000年代初頭に導入された制度は直接的には現在の勤労年代と関係があるとは言えません。しかし、製造業派遣の解禁は雇用の不安定さを招き、その結果としての少子化の悪化を行ったことは確実でしょう。

確かに派遣労働者は産業界にとっては、雇用責任を負うこともなく、必要な時に必要な人材を使い捨てにする事のできる、極めて都合のいい働かせ方なのかも知れません。

しかし、そのような不安定な雇用化において、一体誰が結婚や出産、子育てをしようと思うのでしょうか?

ブラック企業の放置

もう一つ大きな原因として、ブラック企業の行政による放置があります。

ブラック企業がなぜ日本にはびこるのか。自称、先進国と言っているにもかかわらず、そのような企業が成り立ってしまう事は、それは行政機関における意思表示ではないのかと考えてしまうのです。

つまり、行政機関としては企業の儲けを最優先させる事を目的として、意図的にそれらの業界に対する指導や是正を行わなかった、と考えるのが適切ではないでしょうか。

企業単位での自助努力の不足

それらの違法な労働環境を見て見ぬふりをする行政の怠慢に慣れ切ってしまった企業は、労働基準法を守ろうともしませんし、また、従業員にどのような扱いをしたとしても、たとえそれによって働く者が生命を犠牲にしたとしても、書類送検で済んでしまうのですから。そんな状況下では遵法意識が欠落して当然です。

それは、従業員に対し人間的な扱いをしようとする気すら無くなってしまうでしょうし、それらは現在の劣悪な労働環境の原因でしょう。

つまり、企業はそれらの行政による無為無策に慣れきり、本来企業が行わなければならなかった、企業が人を雇用する意味での社会貢献、もしくは企業の存続意義を忘れさり、ひたすら経営者と株主の利益追求のために「のみ」に存在する、極めて歪な状態になってしまったのです。

また、逆説的な意見ですが、もし本当にまともな企業であれば、今更、人が集まらないなどと言う事はないでしょう。

なぜならば、それは、これまでの不況下にあって、人を募集さえすれば、いくら良い人材は来たのですから、その人材を大切に育てさえいれば、今更、人材不足などと言っているはずはありません。

立法、行政の不作為行為

つまり、立法、行政、企業、それらの無為無策のツケとしての最終的な結末として、現在の企業における人材不足とは、まさしく自分達に特大のブーメランが帰ってきた状況となったに過ぎません。

本来、社会や立法、行政や企業が「当然行うべきことを行っていれば」、現在のような状況にはなっていなかったでしょう。

無論、もはや時既に遅しですが。

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