
子供を自己責任とする社会の末期感
少子高齢化が進行し、女性が社会に出て働く必要性が労働人口不足により言われるようになってきましたが、それにもかかわらず子育てについて、女性がパートに出るための子供を預ける保育所や幼稚園者に対して待機児童が発生しています。
それは、もはや社会は働く者がいなければ回らないにも関わらず、また、社会は子供がいなければ今後の持続的な運営をする事ができないにもかからず、子供を育てる事は自己責任だ、と言っている事に他なりません。
また、それに対して為政者は何ら実効的な対策を取ろうとしていません。彼らは常に口先で聞こえの良いフレーズを連発連呼するのみです。
確かに社会構造的に見ると、老人に手厚い保護を与えた方が自分達での選挙の票の見返りという意味では政治家達にとって良いのかも知れません。しかし、それは目先の人気取りです。政治家は20年後の社会の崩壊よりも数年先の自分たちの人気取り、ということですね。
子供に選挙権はありません。また、人口の構成比で見た場合、いわゆる「団塊の世代」と、その上の世代を優遇することが集票の近道となります。そのために、社会問題に直視するよりも、しわ寄せを行いやすい、子供や若者夫婦に矛盾を押し付けるのです。
子供こそ未来への投資である
子供はたとえ、現時点ではいたずら放題に泣き叫び放題であったとしても、その子供について社会がきちんと教育を行い、その子供達の適正分野もしくは自分の行いたい分野を適切に選択させる事によって、20年後もしくは20数年後には確実に納税者として社会に貢献する人物になります。それは投機的な産業への税金の豆乳ではなく、確実にリターンが得られる自国民の教育への投資、という考え方です。
国家100年の計、などと言いますが、たった20年先の事も考えることのできない日本に将来など本当にあるのでしょうか。私は著しい疑問を抱かざるを得ません。
また、これは教育分野のみならず保育園、幼稚園などの待機児童についても同じことです。それらは小学校入学前の、「学習以前の学習」として捉えることもできるでしょうし、一定程度の社会規範をそれらの時期に教えることにより、より効果的な学習が可能です。
子供の保育所や幼稚園がない、もしくは適切な教育方法がないと言うのであれば、公務員の給料や政治家の給料を削ってでも子供の教育に予算を配分するべきです。一体何が「公務」員なのでしょうか。自分の所属する社会が末期的な状況にあるにも関わらず、自分たちの給料だけは死守しようとする、その姿の一体どこに「公」があるのでしょうか。
子供に教育を税金から投資すること、それは20年後に絶対に回収できる予算です。それを今の為政者たちはそのような議論をしようとすらしない。それはまさしく目先の、そして聞こえの良い議論のみを行い、人気取りに終止しようとしていることにほかなりません。
公務員とは、法律に従って粛々と定型業務を行っている者であり、なんら生産性のある存在ではありません。彼らの給料を守る事が第一である、現在の考え方そのもの自体がおかしな考え方です。
そのような事を考えると、公務員や政治家給料に全く手をつけず、保育園や幼稚園が足らない、などと主張するのはおかしな事この上ない事となります。予算がない、という言葉は、それは「自分たちの利権とカネは絶対に守る!」と喚き散らしていることと等しいことです。
目先の人気取りに汲々とする政治達
今の為政者たちが行っている事は、目先の問題を小手先の方法によって解決する、もしくはそれを解決しようとしているポーズを見せようとしてる、空虚なパフォーマンスに他なりません。
彼等は自称、保守などと言っていますが、たった20年先の事も考えられない状態で何が保守なのでしょうか。保守であれば自分の国が20年後30年後40年後もきちんと継続するように現時点でどこに社会的リソースを配分するか事を考えねばならないにもかかわらず、その社会的リソースの配分は常に政治的配慮もしくはコネによって左右されている現状があるのです。
無責任政治の根幹である
なぜ彼らはそのような無責任の政治を行うのか。
それは彼らは20年後の事など何も考えていないからです。それは政治家とタッグを組んで政治を行う官僚も同じ事が言えるでしょう。日本の官僚制とは数年で担当者が入れ替わり、その結果として極めて無責任な法制度、法運用が行われています。
また、役人は役人どうしてお互いを擁護しあい、政治家はそれらの社会的な問題について聞こえのいいフレーズを並べ立てる、そのような構造が今の日本社会にはびこっているのです。
現在の少子高齢化者が業界最優先によって作られた構造であるとするならば、今後の少子高齢化は現時点で問題となっているにもかかわらず、さらに無為無策を重ねる事により、人為的に社会崩壊を加速をさせた、と言われてもしょうがないような状態でしょう。
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