
公務員の削減は新自由主義を利する
公務員を削減せよと主張する気は私にはありません。
それは新自由主義に見る小さな政府を後押しするものであり、全く賛同できません。
公務員とは国民の奉仕者として存在するのであって、現在の縁故採用とコネと口利きにまみれた現在の姿をあるべき姿に戻す事が急がれるのではないかと考えます。
地方における公務員のお寒い姿
私は東北地方に住んでいますが、この地方における地方公務員、それは県レベルまで見ても、全てが全てとは言いませんが、いわゆる縁故採用もしくはコネ採用であると明らかに分かる人物が多数在籍していることを私は知っています。
雇用が最悪の状態における東北において、なぜそのような人物達が公務員として採用されているのか、そしてロクに仕事もせずに何百万も給料を受け取っているのか、そこに公務員の問題のすべてが集約されるのではないでしょうか。
彼らを免職にせよ、とは主張しません。しかし、能力が無いのであれば、能力が無いなりのベーシックインカム的な低賃金の給与とすべきです。現状では「無能力な地方公務員」と「まともな地方公務員」の双方があまりにも混同されすぎています。それは公務員にとっても望ましい姿ではないでしょう。
無論、公務員の問題として、東京の霞が関などの高級官僚における天下りなどの問題などもあります。しかし、それはまた別の問題として論じられるべきです。政治的プロセスの決定と責任のバランスの取らせ方、もしくは免職後も責任を追求するなどの社会的コンセンサスの問題となります。
地方公務員のあるべき姿とは
話を戻します。
地方公務員における、あるべき姿とは、もう地方公務員全体の賃下げ方法以外にないと考えています。
地方公務員は現在の制度では、一旦採用すると免職や、賃下げも非常に難しいと言われます。
ちなみに、縁故採用を行う公務員たちは「免職が難しいから、縁故で信用のおける公務員採用には意味がある」と吐き捨ているのを聞いたことがありますが、とんだお笑いです。それは愚劣な法体系を改めるべきが最優先であり、縁故採用の正当化の詭弁に過ぎません。
なぜ免職が難しいのか、それは地方の議会における、無所属といいつつ、実質的与党系を含めた与党系の議員達が、自分たちの議案を息の掛かった地方公務員に作らせるために、公務員の給料を触る事ができない、という理由があるのも事実です。ただ、それは議員本人の能力不足に過ぎませんから、言い訳にすらなりませんが。
地方公務員の賃下げの具体策
公務員の給料下げる方法は部門ごとの民営化方式、もしくは特殊法人への切り替えが良いのではないでしょうか。
つまりある部門まるごと、特殊法人、公益法人などの会社形態にし、一旦、現在の地方公務員を全員解雇、そして再採用という形をすれば、能力の低い者の賃下げを法的手順に基づき行うことができます。
それは国鉄のJRへの民営化に行われた実績もあります。国鉄のJR民営化においては、当時の国鉄の労組の最大会派の支援組織かつ、最大野党の社会党を弱体化させる、という政治的思惑があったのも確かです。
しかし、現に近代の歴史において、「大量の公務員の民間人化」が行われたは紛れもない事実です。
ただ、私はそこにおいて人材の選別作業をせよ、と主張するつもりはあまりありません。よほどひどい地方公務員については採用を控える必要があると思いますが、しかし、基本的には全員採、かつ、能力に応じた適切な民間レベルの給料とするべきでしょう。
つまり、地方公務員の削減、ではなく「能力に応じた」然るべき賃金、とすべきです。それはもちろん、現在の「大企業の『民間の賃金』に合わせた公務員」ではなく、その地方の中小零細、そして非正規の人々と同等水準の賃金とすべきです。
何も生み出さず、法律を運用しているだけの地方職員が大企業と同等の給与を得ようとする事自体が、民間との甚だしい感覚のズレ、自己認識の誤りと言えるでしょう。
地方公務員の採用の意味には「民間では能力不足で通用しない者」を救済する意味もあるのですから、彼らに高給を与える必要はありません。
公務員を特権階級化させてはならない
公務員とは特権階級では決してありません。私の住んでいる東北のある自治体の今の公務員らを見ていると2世職員、3世職員が多数存在していることを私は知っています。
それらの公務員の特権階級的な身分の固定化を徹底的に阻止する事も必要です。
具体的には、二親等以内に公務員が存在すれば、その者は同じ地域では公務員になれない、などの一定程度の職業制限をかけるべきであると考えます。
まあ、こういう時に限って「憲法に書かれた職業選択の自由を守れ!」などと、改憲をめざす与党系の議員にベッタリの職員が言うのですから、とんだ二枚舌です。
この国が、もはや経済的に壊滅的な打撃を受け、そして少子高齢化になっている状態で、公務員だけが特権的地位に安住している事を我々は絶対に許容してはなりません。
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