
ブラック企業ではありませんと公言しよう
結論から書きます。非常に簡単な話です。
採用時の職安への求人票の提出、もしくは求人雑誌への募集の掲載に対して
「弊社はブラック企業ではありません。それをお誓い致します」
「残業代は全額払います。不当労働行為、パワハラなどの違法行為は一切行いません」
と社長名義の誓約文を掲載すれば良いのです。
地方の企業はブラック企業ばかり
悲しいかな、少なくとも私の住んでいるような地方都市においては企業のほとんどがブラック企業です。
そんな中で、「弊社はブラック企業ではありません」と社長の名前で署名することによって、かなり良い人材が集まるのではないかと思うのです。
もちろん、その場合、残業代はきちんと払わなければ駄目ですし、パワハラなどもっての外です。「まとも」な経営をしている企業にだけ、できることではあるのですが。
ただ、それは考えてみると、今は日本がいかにまともな企業体質ではないか、いかに先進国気取り、もしくは先進国「ゴッコ」にすぎないかを表しているわけです。労働環境のお粗末さはどんな詭弁を吐いたところで隠せないのですから。
真面目に経営をしていると自認する経営者の方は、そのように書いてみてください。絶対に良い人材が来るはずです。
ブラック企業は残業が多いことではない
何も「残業させるな」と私は主張するつもりはありません。残業させるのがあればきちんと残業代を払いましょう。
やむを得ず長時間労働が続くのであれば、少なくとも社内の雰囲気はきちんと働きやすい雰囲気に保ちましょう。社員の人間関係がおかしくなりそうであれば、社員から、「経営者がしゃしゃり出ている」と言われても、その問題に割入ってその問題を解決すべきです。
そんな単純なことをすれば中小企業は良い人材をすぐにでも集めることができます。
いずれ生ずる人材不足の原因
私は景気が良くなっている、などとは全く思いません。ただ人材が集めにくくなっている事について私も実感します。
では、なぜ人が集まりにくくなっているのか?
それは、労働人口の減少に他なりません。
労働人口減少の元々の根源を正せば、今の30代後半などの、いわゆる「失われた世代」に対してまともな労働環境も与えず、日雇い派遣やバイトなどの「企業にとって都合のいい働らかせ方」を一方的に押し付け、またそれを国が見て見ぬふりをしてきたことによって、それらの世代が家庭を持つこともできずそのために国全体の労働人口が減っている現実があります。
もう外国人研修生が来ません
もちろん、それらの労働人口の減少に対して私が散々罵倒しているように、例えば外国人研修生による欺瞞的な奴隷労働をさせることも現在は可能かもしれません。
しかし、それは、たとえば現在アメリカでトランプ氏が大統領になり、そして反グローバリズム、そして自国の国民に労働を与える、そんなことが、世界的な兆候になりうるであろう今後の社会において、いずれ日本においても外国人労働者外国人研修生を使う企業が彼らの本国から白眼視される日が近づいているのです。
言うまでもありませんが、私は外国人労働者の方に対して差別意識はありません。彼らは現在の日本国の法律に則り、「合法的」に日本国内で働いているのですから。
また、それ以前に日本の労働環境、とくにそれは外国人研修生にとってはまさに蟹工船もしは地獄のような環境であるにもかかわらず、わざわざそのような環境に来る外国人研修生自体がいなくなるでしょう。そう遠くないうちに。彼らの国は目覚ましいスピードで発展しているのですから、わざわざ極東の島国に奴隷労働を行いに来る必要などどこにもありません。
また、現在、国内で「研修生」や「学業の副業としてのバイト」として働いている外国人の人々は、本国に帰り、日本の劣悪な労働環境を彼の国の言語でウェブなどで拡散するでしょう。「あんな国で働いてはならない」と。それは、外国人の人々の「日本」に対する労働環境の重要な判断基準と成り得るでしょう。
総論
今のうちに「弊社はブラック企業ではない」と宣言し、優秀な人材を集めておくのが、今後の中小企業の大きな発展のために非常に重要な布石なのではないでしょうか。
外国人労働者はもう来ませんし、今後、労働人口の減少は加速することはあっても、改善されることは無いのですから。
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