そもそも生まれ育った時代背景が違いすぎる
一番の根本的な問題としては、これに尽きるのではないかと思っています。
結局、就職氷河期世代の親世代は、おそらくは戦後の10年程度に生まれた者達であり、彼ら、彼女からすれば社会は右肩上に概ね成長していく人生を過ごしてきたのです。
また、いわゆるブラック企業と呼ばれる働き方についても、彼ら彼女らからすれば、それが当たり前の働き方であり、個人は企業に属し、そして、その代わり企業が個人の生活が面倒を見る、それが大企業であっても中小企業であったとしても、その経済的スケールに違いはあったとしてもです。
それらの日本の企業中心主義的な考え方が2000年代以降、企業が自分達が富を取ることが出来さえすれば良い、との考え方に変化しました。
一気に変わったのではなく、2000年代初頭における製造業への派遣労働の解禁に見られるように、企業にとって「都合のよい働かせ方」に企業が慣れきった結果として、より彼らが自らの利益を求め、そして、個人の権利を抑圧する社会になってきたのです。
現在の道路を見れば分かる通り道路の上を走る多くの自動車は軽自動車です。
そして、軽自動車のトールワゴンばかりが国道の上を走っています。
これは2000年代までは考えられない事象でした、一言で書いてしまえば、この国の一般の人々が貧しくなっている事に他なりません。
就職氷河期世代の親からすれば就職し、そして、普通自動車を買い、カローラ、マークⅡ、クラウンと言ったように、わかりやすいステップを踏む事による自分の経済的なゆとりの向上と、実感がそこにあり、その裏付けとして終身雇用があり、勤めていれば給料は少しずつながらも毎年上がっていく前提がありました。
ちなみに就職氷河期世代の親世代にとっての軽自動車とは、それは家庭における専業主婦が買い物のために使う車、との感覚、もしくは、20代における一番最初の自動車を買う時の車種としての軽自動車位置付けでしょう。
かつて無い「求人難」というまやかし
現在、確かに有効求人倍率はかつてなく向上していると言われます。しかし、正社員の有効求人倍率ではなく、バイト、主にサービス産業におけ低賃金労働者が足りない状況に過ぎないのではないでしょうか。
挙句の果てに、それらの産業への就職者が存在しないため、外国人労働者を導入するなど政策を為政者達は決めましたが。
就職氷河期世代とその親達の分断
現在、働かず、年金生活をしている親と、そして、その下の世代、その息子達娘達における就職氷河期世代との折り合いが最悪の状態になっているのではないかとは考えます。
就職氷河期世代の親の世代は成長が当たり前の日本経済を経験し、そして、自分達はリタイアをし、年金暮らしをしています。
自分達が息子の世代は不安定極まりない市労働環境に先を叩き落とされ、結婚をする事も、恋愛をする事も、もちろん、子供を持つ事もできない状況に叩き落とされている。
それを理解する事が困難な状況にあるのではないか、と思うのです。
自分の生きてきた生き方は簡単に見直すことができるものではありません。
また、多くの場合、就職氷河期世代の親世代は、未だに情報を取得のために新聞とテレビを使用している事でしょう。
言うまでもなくテレビや新聞といったメディアは自分達の生き残りに汲々とするため、為政者に忖度を行います。そして、本来伝えるべき事を伝えず、世の中の景気がおかしな事になっているにも関わらず、「好景気」を垂れ流します。
まるで大本営八俵の庭に政治家達の主張を垂れ流すメディアになるさかなり下がっているように思えてなりません。
結局、就職氷河期生と、その親達は今後、分かり合う事は一生ないのではないかと考えざるを得ません。
就職超氷河期世代の親達の理想像と、就職氷河期世代の突きつけられた現実、生じている現在進行形の社会の劣化に否応なく対象をせざるを得ない就職氷河期世代等との間にある溝は、目に見えない強烈な世代分断と言えるでしょう。
結局のところ、わかりあう事ができない世代間において、必要以上の交流は控えるべきではないのか、とすら私は考えてしまいます。
結局、どんなに話し合いをしたところで、自分の生きてきた歴史を否定する者はどちらの世代にとっても存在しないのです。
努力をすれば、仕事を選ばなければ正社員の仕事はある
就職氷河期世代の親たちの言う理想論は、就職氷河期世代の人々にとっては机上の空論に他ならない事でしょう。
それらへの対応方法として
自分一人で生きる生き方を選択する、それが必要以上に消費を行わない最低限の生活を維持する。
そして、不安定な今後、の世の中に対応するべく生活の技術を向上させる、それらが今の就職氷河期世代等に出来る積極的な対応と言えるのではないでしょうか。
今後の社会に夢も希望もありません。
まずは自分の生活を安定させる、そして、今後のさらに悪化する社会に備える。
それが現在の就職氷河期に求められる生活様式ではないでしょうか。
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