
外国人研修生制度の欺瞞性を直視せよ
ますお断りとして書いておきますが、私は別に外国人労働者について人種差別や国籍による差別を行うつもりは一切ありません。
生まれてくる国籍や地域は自分で選べないのですから。それについて差別的な発言を行う者たちは徹底的に糾弾されてしかるべきです。
しかし、日本における外国人労働者の問題とは、それは彼ら、彼女らを導入する以前の問題として、まず国内問題が存在するのではないか、という意図で外国人労働者問題について記述しています。
左派の人々が、動労者というくくりで、外国人研修生を擁護するのは理解できます、右派が外国人研修制度を問題として認識しないのは、イデオロギーによって問題から目をそらしていることに他なりません。
「外国人研修生」が来ることによって、日本国内での働く場所の減少と、もう一つは最低賃金値上げの抑止効果があることは確かなのですから。
もちろん、私は国籍によって勤労者を差別するつもりはまったくありませんし、むしろ外国人研修生に同情する立場であったりします。
外国人研修生という「反日」外国人量産制度
日本に来た研修生たちからしてみれば、「先進国」に来たはずなのに、そこで待っていたのは劣悪、非人間的な労働環境。パワハラ、セクハラの嵐、蟹工船レベルの労働環境がまかり通る国。
これでは右派いわく、「反日」人材を量産していることと同じでしょう。わざわざ「日本の事を嫌いになってください」と言っている事ではありませんか?
また、これは決して外国人の研修生の方に対する差別的な意識ではなく、事実として書きますが、少なくとも私が以前勤めた企業において、外国人研修生の人々は日本人との交流は、仕事以外にはなく、仕事終わり、もしくはプライベートの時間などは日本人との交流は、彼ら彼女らはほとんどを行っていなかったように見えます。
無論、それは、あくまでも個人としての体験に過ぎませんが。
つまり、単なる労働力の不足と不足の解消として「のみ」、企業側は外国人研修生を見ていたと私は見えてしまいます。
無論、「研修生」の彼ら彼女らにしたところで、「何が悲しくて蟹工船のような労働をさせる日本人達と仲良くしなければならないのか」、という感覚が生じるのも理解はしうるところです。
外国人研修制度自体が不要である。
そもそも、「研修生」を使わないと存続できないような産業など潰すべきではないでしょうか。
そのような劣悪極まりない環境しか作り得ない産業の延命を行うことは、社会にとってのメリットはなんらありません。むしろ、衰退する産業は、すっぱりと切り捨てる勇気が必要なのではないでしょうか?
シャープや東芝が外国資本に身売りする中で、なぜ地方の、それも自助努力もしていない産業を延命させねばならないのでしょう?何が「地域の産業」ですか?
時代に適応できない産業は市場経済から退場するだけです。それを国家レベルでのモラルを疑われるような行為をしてまで維持する必要は一切ありません。
これは外国人労働者外国人研修生という名の労働者を導入する業界の問題だけではなく、現在の日本社会における産業界とは、サービス残業やブラック企業によってのみ成り立つ産業があまりにも多すぎるのではないでしょうか。
それらの産業を維持継続すること自体が日本社会の劣化を招いている原因の一つと思えてなりません。
もちろん、それらの経営側にとって非常に「便利な働かせ方」慣れきってしまった社会が簡単に変わるとは思いません。
しかし「国家百年の計」というように、今後数10年間にわたって日本社会はどうあるべきか、というビジョンを組み立て、それに沿ってまともな国として再生する、そんな常識ある考え方が必要なのではないでしょうか。
外国人研修制度による最低賃金上昇の抑圧効果について
「研修生」制度は最低賃金を押し下げている、という事実があります。日本人が見向きもしない様な劣悪な労働環境を作り、そこに「期限付き」の外国人の労働力をあてがうことによる、国内産業の健全な賃上げの芽を摘み取っていることにほかなりません。
確かに「研修生」が望んで日本に来ていることは理解できますが、その裏には日本に来るために借金でがんじがらめにされている人物も多いと聞きます。
国が「研修生」という制度を認めているのであれば、研修生に対する劣悪な労働条件見て見ぬふりをしている事自体がもはや矛盾をはらんでいます。
「外国人研修生」について、糾弾すべきは外国人労働者ではありません。それを許可し、劣悪な環境を黙認する為政者たちです。
えもちろん、政治家たちにしたところでそれは産業会の要望、そして「合法的な政治献金」によって、その意見に大きな影響を受けているのでしょう。
それは、なぜ政治家たちが産業界にとって有利な政策を進めようとするのかを考えた場合の最たる原因のひとつです。
産業界の目の前の一時的な利益のために、この社会の問題を見て見ぬふりをする者達、そして、本来、正すべきべき部分を手付かずのまま、問題のさらなる悪化を招く者たち。そんな者たちに、本当に社会を語る資格などはあるのでしょうか。
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