本から次の商品を買わせる一例として、書評 群れない力 関口智弘

By | 2017年6月6日
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この本は2種類の意味で面白い

この先入観なしに読むと実は結構面白い本だったりします。書いている事が非常に過激で、余分な人脈を切り捨てる方法、もしくは孤独を肯定する方法、それらについては非常に共感はできる部分はあります。

ただ、それは会社組織では実行することは非常に困難な考え方でしょうけれど。

つまり、本書自体が精神的なドリンク剤のような本なのです。

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もうひとつの面白さ

もう一つの意味で面白さとは、この人についてwebで調べていると「文章で儲ける」などと書いている人物であることです。

ブログを書くと儲かる?私からすると、はぁ?って感じなのですが。ブログは自分の主張を淡々と書いてゆくメディアですよ。

私はこの本で強く感じたのですが、こういった本を通じて著者に興味を持つ人を作り、そして著者のウェブページに誘導し、メールマガジンを購読させ、最終的に自分の何らかの商品を買わせる、もしくはセミナーを受けさせる、その手法の入り口の本と見えてしまいます。

確かに電子書籍販売やセミナーを行って、それを中心として金儲けをしようと思うのであれば継続した人間関係は多くは必要ない、もしくは一見さんだけをターゲットとしているのかもしれません。

そのような構造的な状況を分かった上で、この本を読むとより面白く読めるかもしれません。

電子書籍、セミナーなどは「一見さん」を常に集めなければ回らない商売なのですから。特に、それが具体的な技術のことではなく、精神的な、マインド的なものになればなるほど、新規顧客の獲得が重要なのですから。

インターネットで儲ける事は情報を売る事ではない

Webの時代において、このような電子書籍は、手を替え品を替え多数の方法が出ています。

これまではネットワークビジネスと呼ばれていた「モノ」を扱うビジネスを、ウェブでその名前と商品を変え、そして入り口を様々に作る事により、情報を売る事が多数見受けられますが、それらは結局のところ、そこで教えている事の根本的な部分とは、それらの電子書籍もしくはセミナーの再生産、焼き直しに過ぎない、と私は認識しています。

ブロガーの行うセミナーとは、精神を高揚させる言葉に、自分の経験をプラスしたものを商品として切り売りしている事に見えてなりません。

まともな技術を持っている人であれば、そんなコンテンツに頼らずとも自分の技術で勝負すればいいのですが、それができないからこそ、コンテンツを手を変え品を変え新しい買い手を求めて永久の流動を繰り返すのです。

つまり、手にきちんとスキルがない人が、いくら御大層な意見を言ったとしても、それは机上の言葉の羅列に過ぎません、ということを逆説的に私は感じてしまうのです。

それらの電子書籍やセミナーと言った、言葉を売り物にするのではなく、技術を売り物にするためには、会社に属して一定期間の下積み形をしなければ、身につけられない事ばかりなのでは、と私は感じてしまうのです。

多くのインターネットで、この手の電子書籍の売り文句である、会社に属さずともお金を稼ぐことができる、もしくは自由な生活ができる、という謳い文句とは全く真逆の事実が存在するのかもしれません。

まあ、そもそも論で言ってしまえば、この手の本は話半分の興味半分で読むのが正しい読み方のでしょうけれど。

言葉は売れない、技術しか売れない

結局私は技術系の仕事をしているのですが、そのような背景から、これらの言葉だけで生きている人を見ていると、それはマインドのドリンク剤のような、一時的なカンフル剤として見えてしまします。

そして、その「ドリンク剤」をより大量に摂取せねば満足できなくなるという循環を意図的に作り出し、そこでセミナーや電子書籍といったものを売る、というあまり好ましくないスタイリングの商売しかできないのかもしれません。

それは究極的にはブロガーと全く同じような事をしている、つまり、ブロガーがブログを書くのと同じように、この著者は本そして電子書籍を書くことによってそれらの情報を売ろうという魂胆が透けてくる気がします。

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