
なぜ「ネット左翼」は存在しないのか?
結論から書きます。
ネット右翼とは、これまでの政治活動とは全く逆パターンで政治を行っている集団であると考える事ができます。そのため、左翼側はイデオロギーが追いつかず、それに対処できていない、というのが現実です。
つまり、これまでの政治とは、特定の候補者がいた場合、その候補者を推薦する事によって議員や首長になる行動を取ってきました。一方、それに対しネット右翼が行っている事は、候補者のライバルもしくは、ライバルと成りうる候補者や思想を徹底的に「叩く」(≒誹謗中傷する)事によって、消去法として、ネット右翼の推薦する候補者に投票させようとしています。
また、いわゆる野党勢力の厭戦感を醸し出す事もその目的の一つでしょうし、あわよくば、社会そのものの雰囲気を左右してしまおうとする運動である、と私は考えています。
それに対し、左翼側は、あまりにも正しい議論、常識的、かつ穏健であるがゆえに、対処できていないのです。
ネット右翼の背後関係とその根本部分
ネット右翼について、その背景にはおそらく何らかの宗教団体や、それらをバックボーンとする資金の豊富な団体があり、そこから民間企業などを通じて活動資金が提供されているのではないだろうか、と推測しています。あくまでも推測にすぎませんが。
では、なぜ、そこに宗教団体が存在するのか。
宗教団体は言うまでもなく日本国内においては税金の徴収を免れているため、豊富な資金を得る事が可能です。また、税金を納めないでよいが為に、金の流れについても比較的ルーズな状態が許される事実もあるでしょう。
すべての企業には帳簿がありますが、その帳簿を見れば、何が売れたか、何を購入したなどの、その企業の経済活動の全て書く必要があります。当然、その帳簿を見る事によってその企業はどのような経済活動しているか一目瞭然となります。
それに対し宗教団体の金の流れとは、以下のようになります。
例えば「祈祷料」という名目であれば、祈祷行為については、信者以外には全く価値のない行為です。そのため、いかようにでもカネの流れを曖昧にすることは可能でしょう。
また、同様に「その宗教では意味のある物品」を信者や一般消費者に高く売りつけることによって、多額の資金を得ることも可能でしょう。なにせ、「売り子」は信者で元では極めて安価なのですから。
そのようにして、信者から集めた資金を政治的活動に流用する。
むしろ、正確には「宗教的資金を流用し、自分たちの政治思想を結実させる」のではなく、「最初から政治的活動を行うための資金を得るために宗教団体を作った」団体すら存在するのではないか、とさえ私は疑っていますが。
無論、私はこの記事において、どのような宗教団体がそのような活動を行っているかを事を書くつもりはありません。それらの団体の中には、即座にスラップ訴訟(嫌がらせの為の裁判)に持ち込もうとする輩が多数いるのですから。
つまり、ネット右翼のまとめとして、その背景にある宗教団体と、宗教団体からの資金提供によるネット上での言論結成の行為であると考えるべきではないでしょうか。
つまり、彼らは最初から世論誘導が目的であり、決して政治的議論などはできない存在である、と考えるべきであるかも知れません。
では、なぜネット左翼は存在しないのか
そもそも左翼の考え方においては、「働く者は皆平等」であり、そこに生じている格差や国籍による差別は、それらはすべて資本家、つまり、金持ちが存在する事によって、そのような悪しき事象が生じていると考えるのが左翼の考え方です。
それは国籍や思想という者に関係なく、人類全てが平等であると考えるのですから、左翼にとっては、ネット右翼でさえ、一時的には憎むべき対象であったとしても、それは「現在の資本主義下における誤った思想を擦り込まれた被害者」であるという考え方と言えるでしょう。
また、目的のためには手段を選ばない右翼に対して、左翼は行動の前に、あらゆるイデオロギー的な、行動と思想のすり合わせが存在するのです。
右翼とは、それはもちろん、自分の稼ぎを費やして純粋に思想信条を伝えるために存在する思想右翼も存在しますが、現実のところヤクザの下部団体であったり、もしくは、反社会的勢力と密接な関係のある団体が少なからず存在する事が事実です。
つまり、右翼という存在は、カネのために思想とは関係のない動きをする団体が少なからず紛れ込んでいると、考える事もできるでしょう。
一方それに対し、左翼にも確かに自分達の利権を守ろうとする考え方はあります。しかし、それはあくまでも現時点での利権を保持している団体がほとんどです。
つまり、わかりやすい例では労働組合での正社員の身分「のみ」を守ろうとする行為、もしくは、左翼の組織において、これまで有していた権利を守る事に必死になりますが、そこから新しい権利を主張しようという事については、あまり乗り気ではないのが左翼の考え方です。
ましてや左翼の根本的な思想では、人類は全て平等であるという考え方があるので、ネット右翼のような特定の国家の人々を罵るような行為や、特定の思想を罵倒するような行為は、それ自体が忌諱されるべき行為として考えられています。
そのため、左翼側はネットの利用による社会における思想形成に対して、非常に弱い部分があるのが現実的な状態ではないでしょうか。
左翼はネット右翼に「学ぶ」べきではないのか
私は別にどこかの左翼、リベラル団体に共鳴しているわけでもありませんし、ましてや何らかの団体に所属しているという事もありません。だからこそ、こうやって好き放題に書けるのですが。
今、リベラル系勢力や左翼勢力はネット右翼の方法論に「学ぶ」べきではないのかと思うのです。
もちろん、第三者を罵るような行為はそれは絶対的に忌諱されるべきでしょう。また、特定の国籍や、特定の思想の者を罵る行為は、それは左翼勢力でなくとも、人間として恥じるべき行為です。
とはいえ、ウェブを使い、少なくとも一部の者に対し政治的世論誘導が「成功している」事実については、左翼やリベラルは大いに戦慄し、学ぶべきです。
ただ、ネット左翼が存在した場合、彼らがネット右翼よりも圧倒的に強い点があります。
それは、「事実を書ける」という点です。
少なくともネット右翼のバックボーンに為政者や、宗教団体などが存在する事実や推論を左翼は好き放題に書く事ができるのです。
もちろん、左翼側にしたところで「公務員の労働組合」や「正社員だけは守る労働組合」といった、即刻改善されるべき大問題も存在します。しかし、それはさておきです。
つまり、左翼側はネットで「ネット右翼の存在理由」を粛々と書いて回れば良いのではないでしょうか。つまり、思想的な批判をせずに、「ネット右翼が存在する理由、資金源」を淡々と書き込むのです。つまり、
ネット右翼の背景にはいったい何が存在するのか、事実として、このような団体が支持している事例があります、と。
そのような本来の意味でのリベラル的な、または現在の社会をおかしくしているネット右翼の誤りの根源を正すための行為について、「正社員労働組合」を始めとする資金有る左派や、リベラルは重い腰を上げるべきです。
また、心ある人々も、それらの行動に同意するべきでしょう。
黙っているだけでは、沈黙行為という、無言の社会への加害行為にほかならないのですから。
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