
もはやトラックドライバーの成り手はいないのではないか
人材不足が言われて久しいですが、特にその中でも顕著な分野と言われる分野が物流業界における不足と言われます。
確かにトラックドライバーの方々の過酷な労働条件などを見て分かる通り、今後も成り手自体が少なくなってしまうでしょうし、さらにそこに安全性の向上のための大型トラック免許の改定などによって、ますます成り手が少なくなってしまう事は、もはや目に見えた状況です。
そのため、貨物列車の復活が今こそ行われるべき時代ではないでしょうか。貨物列車とは1980年代くらいまではトラックと並び、物流を担っていました。
そこからバブル期の国鉄解体においてJR貨物の形で分社化され今ではJRグループの日陰の様な存在に一旦はなりましたが、現在では物流業界の人材不足によって、若干の復活を遂げている、と言われています。
鉄道輸送におけるメリットとは
鉄道おけるメリットとは、貨物列車は長い貨物列車の編成にする事により、少人数でも大量の貨物を輸送する事ができることです。
これは、トラックが1台のトラックにつき一人の運転手がいる事に比べ、非常に効率的な運用が可能です。また、鉄道の場合、渋滞者がないため、少なくともある一定区間においては非常に高い定時制をもった運行をする事ができます。
また、これは物流の業界においては言われる事はありませんが、線路が全国津々浦々に整備される事とは、日本の国土におけるインフラの維持という意味においても非常に重要な事なのではないでしょうか。
今、地方における過疎化などが問題視されていますが、それらの地域に鉄道が通る事により、その地方の衰退を一定程度を妨げる事ができるのではないでしょうか。
鉄道を物流インフラの骨格として、もしくは、国土基盤として認識する
むしろ地方の鉄道においては旅客の運行よりも貨物の運送をメインとして捉え、そして、そのために鉄道を維持管理する考え方でも良いのではないでしょうか。
もちろん、そのためには徹底的に運用コストのカットもしくは維持費用の削減などは絶対的に必要でしょう。しかし、それは単なる鉄道貨物枠組みを超えた、この社会を維持持続させていくための非常に重要な戦略ともなりうるかも知れません。
無論、鉄道を使うと場合には、鉄道路線のインフラの維持費を考えなければなりません。
しかし、それは高速道路にしても同じ事です。特に、高速道路の場合は高度経済成長期に作られため、それらのインフラの更新作業が今後控えている、と言われています。
どちらにせよインフラについての予算面でも今後考えていく必要があるのですから、道路に限定せず、鉄道を活かす、という考え方もあるべきです。
ちなみに、在来線の鉄道は平地部を走る事が多いため、比較的、大規模ではない改修作業が可能であるともいわれます。
本当に個別の住宅への配送は必要なのか
現在では宅配便として個別の住宅まで荷物が届く事が当たり前となっていますが、これは今後の人口減少を考えた場合、その町のコンビニエンスストアまで届ける事がメインの業務となっても良いのかも知れません。
そして、そのコンビニエンスストアの先に届ける、すなわち個別配送を行う場合は、別料金の加算を行うことも、消費者は持続可能な制度として受け入れるべき事かも知れません。
また、そうする事により、コンビニエンスストアもしくはそのコンビニエンスストアの周辺に存在する商店なども潤うでしょうし、それは物流のインフラを維持するのみではなく、街そのものの存続事を考えた場合の、一つの戦略となり得るのではないでしょうか。
衰退する社会を食い止めるための効率化としての鉄道
鉄道は日本では旅客の扱いがメインとして考えられてきましたが、今後、国土の健全な持続意味において、絶対的に欠かす事のできない物流メインの骨格としての鉄道が再び注目を集めても良い時期が来たのではないでしょうか。
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