なぜ、その古本屋(古書店)は廃業したのか、内部から見た経営悪化の原因

By | 2017年3月1日

学生時代に、古本屋の閉店作業に従事した記録として

私が学生時代、とある古本屋の閉店作業に関与しました。

私はその古本屋に常連として通っていて、また、自分の通う大学名や学部もその店の店主に伝えていたため、臨時バイトとして閉店作業に関わりました。

そのため、このような知識を得ることができました。

以下は、なぜ古本業界が淘汰されてゆくかを内側から考えた記録です。

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ネット販売への対応がお粗末

これが最大最悪の原因でしょう。

せっかく買取ルート、つまり本を持ち込む人が確実に何十人が存在したにもかかわらず、その買い取った書籍をまともにネットで販売することができていない状況でした。

別に、ネットで販売したからといって、それをネット販売専用とする必要もなく、店頭での併売も可能なのですから、販売チャンスを大幅に増加させることができたはずです。

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従業員教育がまともに行えていない

その古本屋には男性従業員と女性従業員がそれぞれ数名ずつ存在したのですが、彼ら彼女らの対応で非常にお粗末でした。

せっかく店員をしているのですから、現在の在庫の把握と、新しく入庫した書籍を顧客に薦める事による販売拡大などが行い得たはずです。

または売上によるインセンティブの導入によって販売への意欲を向上させるなどの行動も可能であったはずです。

それらを一切行わず、ただ単に「販売員」としてのみに働かせる状態でした。

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リアル店舗での販売チャンスを限定的にしかいかせていない

特に個人の嗜好分野では古本屋という特性ゆえ、特定の個人に対して「おすすめ」を行うと、確実に販売チャンスの向上が見込まれたはずです。

特にその書店ではアダルト系の書籍を大量に扱っていたため、アダルト分野、すなわち個人の性的嗜好は購買欲の中でもかなり強い部類に値するのではないかと考えてしまうのですが。

また、それはアダルトに限ったことではなく、特定の趣味分野、すなわちAmazonでの表紙だけや、もしくは先頭何ページ程度かのサンプル表示では分からないような書籍全体の印象もアピールできるのが実態としての古書店なのですから。

特にそれが、販売者と購入者の双方の顔が見えている状況において、その利点を生かすことができなかったのは、非常に経営的にマイナスであったと考えます。

大量の死蔵在庫

その古本屋には大量の死蔵在庫がありました。数千冊以上といったところでしょうか。

それらをネットに出すこともなく、店頭に出すこともなく、ひたすら寝かせていた状態でした。

当然、一般的な書籍は死蔵すればするほど書籍の価値は落ちるものです。すなわち、何もしないことによる機会損失を作っていたことに他なりません。

無論、特殊な「古書」などで値上がりがする場合もありますが、それはごく一部の例外的事象でしょう。

変化を望まない経営者と、諦める従業員

ちなみにその古本屋はAmazonでも販売していたのですが、Amazonでの販売方法が非常にお粗末で、競合他店との価格競争法を行うことができない、また、それらのシステムの刷新を行おうとしないなど、ネット通販の有効性を全く活かせていない状況にありました。

せっかく近くに総合大学が存在したのですから、そこの理系の学生などにシステム的な相談をすべきでした。

買い取りについて、高価な買い取りを行う

また買取について非常にドライではない、ウエットな関係を築いており特定の人物からの買い取りは、通常ではあり得ないような高価な金額で書籍を購入していました。

確かにそれは地域密着型、人間関係を重視する古本屋としては「あり」なのかもしれませんが、買取価格自体が本古書店の経営を圧迫する事態になっていたように思えてなりません。

在庫の管理ができていない

また、それらのAmazonの在庫ですが本の置き方が非常に乱雑であり、どこに何があるか探すのために1時間もかかるというような状況でした。

それこそアクセスなどを使って、データベースを構築し、厳密に管理をするべきであると思うのですが。

また、データベースを完備することによって、店頭での販売、もしくはリスト販売などにも活用できたと思うのですが。

店の雰囲気として女性が入店しづらい

正直な話、「古本屋」という存在自体が、もともと女性が入りにくい場所なのですから、努めて清潔感を出し、女性が入りやすい空間とする必要がありました。

また、アダルト書籍などを販売する場合、それを確実に区分する必要なども絶対的に必要でしょう。

古本屋は街の文化のレベルである

かなり批判的な書き方をしましたが、古本屋が街から消えることは文化の重大な損失であることは事実です。特に、それが大学などの学生街に存在する場合はことさらです。

学生が、最初はコミックを買いに来たとして、コミックを買った帰りに、ついでに新書の一冊でも読もうとする機会を与える。

もしくは活字の本を手にする機会を与える。

そもそも、「書籍を読む」その動機づけ自体が今の社会から失われようとしている状況で、それを支えるのは、新刊書店であれ、古本屋であれ、同様です。

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