「いらすとや」のフリーイラストの重要な問題点 「かわいい」に隠される問題

By | 2016年9月30日
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「いらすとや」とは何か?

いわゆるこの画像のことですが、本当にこれでいいのでしょうか、と、私甚だ疑問を思います。

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ちないみに、「いらすとや」とは、「なんでも揃ってしまう」フリーの画像サイトです。リンクは張りませんが。

念のためにお断りしておきますが、この記事では「いらすとや」のイラストそのものに問題がある、との主張ではありません。あまりにも「いらすとや」」の使われ方に疑問を抱かざるを得ない、という内容です。

「かわいい」に隠される様々な問題

一番思うのが「可愛いイラスト」という表現手法ですよね。

これは例えば日本の問題社会問題を「可愛い」という表現で覆い隠すことであり、それは社会として非常に拙い方向に向かっているのではないかと思うのです。

例えば、「ゆるキャラ」というご当地キャラクターがありますが、それらも、「かわいい」「丸っこい」「目が大きい」そういった、決まりきった表現パターンで各地方自治体が血税で作っています。

それらの「ゆるキャラ」は、地方自治体が厳然として持つ問題、例えばそれは地方議会での政治資金の不正使用、地方役所のコネ採用、もしくはムラ社会特有の村八分社会、いじめ問題、などの問題から目をそらすための煙幕を懸命に行政が作っているように見えます。

つまり、醜い現実を覆い隠すための「かわいさ」というカモフラージュですね。

それと同じことが、「いらすとや」のイラストを使い、ウェブ全体で行われているように思えてなりません。

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「いらすとや」を使うことによるサイトの信頼失墜

これはあまり他のサイトでは指摘されていないのですが、私は正直なところ、「いらすとや」のイラストが使われているサイトは信頼性が極めて低いものとして認識しています。

つまり、安易な方法で自分のテキストを飾る、もしくは説明する、そのような行為をしていること自体が信頼性を失墜させるのです。

「いらすとや」のイラストを使うということは、それは自分のテキストのみでは訴求力に欠ける、もしくは説明としてのイラスト、写真についての配慮が足らない、などの「表現をする者」としては極めて重大な問題を有しているのではないかと思ってしまいます。

「いらすとや」のレベルは高いことは認める

もちろん、「いらすとや」のイラストを単体とのイラストとして見た場合、それらのレベルのレベルはデフォルメもうまく表現されていていますし、表現的にはかわいいですし、イラストとしてのレベルは高いものと私は評価します

また「いらすとや」の収益方針として、同サイトの画像でも、高画質版は有料にする、もしくはアドセンスなどで収益化を狙う、それらのビジネスの収益方法としても良く検討がなされていると思います。

そのように「いらすとや」が行なっている行為自体は、それはクリエーターの正当な表現と収入を得るためのの好ましい行動だと思うのですが、それが使用者により、あまりにもウェブに蔓延している事については結果として重大な問題があるのではないでしょうか。

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表現の対価を軽視する社会に変わりつつある日本

つまり、それは既存のイラストレーターに対して対価を払わない、もしくは写真の場合であれば自分でそれを撮影しようとすらしない、すなわち、それは広く見れば日本のクリエイティビティ全体のレベル低下をもたらす行為と言える状態だと思います。

無論、それらの問題について「いらすとや」の絵、その作者には全く責任は無いですし、別にそれは「いらすとや」のイラスト自体が悪いということではありませんが。

サイトに信頼が欲しければ「いらすとや」を使う事は避けるべきだ

また、私から見れば、「いらすとや」のイラストが使われている時点で、テキストに説得力はないとみなします。また、その時点で、そのサイトには「低評価」「信頼性ゼロ」のフィルタリングをかけてサイトを見ます。

当然、私のサイトで、「いらすとや」のイラストを絶対に使うことはないですし、今後、フリー写真を使うにしても、それに画像フィルタリングを掛ける、テキストを追加挿入するなどの、最低限のオリジナリティ加工は付加するつもりです。

「いらすとや」があぶり出す表現者の本質

表現をする者として、フリー素材を嬉しそうに、そのまま無加工で使う、という時点で、底の知れた表現者である、いうことをなぜ社会は気付こうとしないのでしょうか?

もしくは、それに気づくことができないほど社会は貧窮し、堕落してしまっているのかもしれません。タダが一番安い、とでも本気で思っているのでしょう。

イラストの使用代金がタダである代わりに、信用や社会全体のクリエイティビティという金で買えないものを失っていることに彼らは気づかないのでしょうし、気づこうともしないのでしょう。

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追記

最近、このイラストやのイラストが行政機関のポスターなどでも見られるようになりました。

それらの行為を私は「税金の節約」などとは思いません。それは行政が文化活動に対し金銭を払うことを拒否する、行政による文化退廃を促進させる行為としか捉えることはできません。

たとえ、それが役所に出入りする御用聞きの印刷業者のイラストレータであったとしても、きちんと金銭を払い、オリジナルイラスト、もしくはオリジナルの写真を制作するべきです。そのカネがない、などというのであれば、高給取りの役人たちの賃金を下げればよいだけのことです。何のための「公僕」の存在なのでしょうか。

クールジャパンだか何だか知りませんが、文化の尊重を行うフリをしつつ、その一方でフリー素材が好んで使われるような状況とは、一体どんな寝言を言っているのかと、甚だ疑問に感じざるを得ません。

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