
特定の人物が威張る、その結果誰もついてこなくなる
中小企業の衰退の原因として、人間関係も挙げられるのではないでしょうか。私も中小企業を何社か経験しているのですが、中小企業とは、本当に人の出入りが激しいのです。
それは人間関係も大いに関わっていることです。
特に今のような、人手不足と言われるような場合、これまで中小企業の多くが行ってきた「甘え」による経営が全く成り立たなくなりつつある時代になりつつある、のではないでしょうか。
株式会社や有限会社とは、その企業の設立についてなんら資格が必要な事はなく、ただ単に株式会社という「形式」もしくは、有限会社という「形態」の「法人格」をもっているかどうか、にすぎません。
言うまでもなく、現在でもブラック企業が跳梁跋扈している状況にあります。
すもちろん、ブラック企業が跳梁跋扈しているという本質には、行政側が、それらの問題を見て見ぬふりを行っている事が根底の問題として存在するのですが。
順法精神の不足する中小企業の問題
中小企業が良い人材を集めるには、最低限でも労働基準法を守る事、絶対にサービス残業させないパワハラやセクハラを行わない、そして、週休2日制を導入する。
週休二日制の導入が厳しい場合は、隔週休2日制であっても、休日を増やす努力をする。
それが最低限の企業の生き残りのための方法と言えるでしょう。
とはいえ、結局、中小企業から人が逃げ出す時点で、もはやすでに時遅しと言わざる得ない状況が近づいているのかも知れませんが。
まともに考えれば、少子高齢化や団塊の世代の大量退職が行われる事は、10年20年も前からわかっていた事です。
ところが、その20年前には、派遣法の「改正」などによって若者達が正社員として働く場所が奪われた時代でした。
そのような時期に、なぜ現在の企業における中堅的人材を獲得する事ができなかったのか? それは企業の自己責任と言わざるを得ません。
また、社内の人間関係を極力良好にすることも必要です。
もちろん、中にはどうしようもない従業員間の人間関係も存在します。
その場合は、経営者がシャシャリ出ている、と言われても人間関係の間に割って入るなどの対策をするべきでした。
それどころか、多くの経営者は、それらの古参社員達に、ブラック企業の労働環境を守るために経営者の走狗、とも言えるような振る舞いをさせてきました。
行政によって甘やかされてきた中小企業のツケ
つまり、今までの企業は労働基準法違反の見て見ぬふり、行政がまかり通ってきたため、経営体力自体がまともに育っていないのではないでしょうか。
たとえ、サービス残業やパワハラが摘発されたところで、企業経営者やオーナーは懲役刑を受ける事もなく、企業にとっては大して痛くもない罰金を払えば、「みそぎは済んだ」と言えるような状態なのですから。
もちろん、それは行政側の怠慢と言えます。ある意味では、中小企業は行政の怠慢によって、甘やかされた事によって、そのツケとしての人材の枯渇とも言えるでしょう。しかし、法律は法律です。
外国人労働者に期待してはならない
今後、中長期的に見た場合、外国人労働者が、なし崩し的に国内の労働環境に導入されるのかも知れません。
しかし、私は彼ら、彼女らとともに働いた事がありますが、彼ら彼女らは「物言います」。それは日本人とは全く異なる次元で物言いをおこないます。つまり、労働基準法違反などについて、彼らは日本人のような甘い対応はしません。
現在では、それが技能実習生などという、まやかしのガンジガラメの制度によって日本の企業が非常に使いやすい制度として成り立っているのかも知れません。
また、多くの経団連などのお偉い方は外国人労働者を導入する事によって日本の労働人口不足が、いとも簡単に解消される、とでも思っているのでしょう。
しかし、日本に外国人労働者は来ないのではないか、とすら私は持っています。
一昔前、外国人研修生といえば、中国の人々でしたが、今ではそれが東南アジア系の人々に変化していると言えます。
なぜならば、中国の人々は母国の発展に伴い、わざわざこんな極東の島国へブラック労働を行いに来る必要が少なくなったためです。
歴史は繰り返す、という言葉に代表されるように、東南アジアの国々も今後、目覚ましい発展を遂げるでしょう。
そのような中で、一体全体、どこの国の労働者が日本に来ると財界の人々は考えているのでしょうか?
少なくとも、まともに自国内において、自国民に一般的な生活、若者が結婚をする、恋愛をし、子供を産み、子供を育てる、そんな当たり前の環境を提供してこなかった経営者が、まともに外国人労働者を雇えるなどと、全く思いません。
挙句の果てには、「日本はブラック国家である」と全世界に彼らから発信をされ、日本の全世界的な地位の低下を招くのみ、ではないかと考えます。
総論として
真っ当な、こころある経営者の皆さん。
今後、労働者人口は確実に減っていきます。そのような中で、まともな人材を獲得したいのであれば、最低限、労働基準法を守る。そして、週休2日制を導入する。社内での人間関係には経営者が率先してその人間関係のおかしさを解消していく。
もしくは、それができないのであれば、配置転換などを行い働く人がより働きやすい環境を提供する。
そんな当たり前の事のできない企業は、今後、人材不足によって淘汰されていくでしょう。
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