
小さな部屋に住みたい誘惑
実は私は、狭い部屋に住みたいという誘惑があります。今まで決して狭くはない部屋に住んで来たのですが、狭い部屋の方が心理的に落ち着くような気がしてなりません。
「神田川」などでの歌で三畳一間の部屋、と歌われていますが、本当にそんな場所に住んでみたいとさえ、考えていたりします。
とはいえ、自分の生活にとってせめてトイレとシャワーくらいが必要であることは認めますが…。
小さな部屋のメリット
小さな部屋に住むと、必然的に部屋の中を整理整頓せねば生活できませんし、また暖房や冷房などのエネルギーも必要最小限で済ますことが可能です。
また物を買うという行為も、部屋の狭さゆえ本当にその物が必要なのかどうか、を考えて生活するようになるのではないか、と思っています。
つまり生活の強制的な生活のコンパクト化を、小さな部屋は住人に強いる事になります。それを楽しいと考えるのかどうか、はその者の判断に任せられますが。
日本の消費志向は、経済成長至上主義、広い部屋、そしてより明るい間取り、などを求めてきましたが、人間、一人が住むのに本当にそんなに広い部屋が必要なのかと考えてしまうことがあります。
経済消費の拡大をさせるための住宅戦略
ある意味、多くの面積を持つ部屋に住まわせる、という行為は消費をさせるための手段なのではないか、とすら考えてしまうのです。
なぜならば、それは産業界にとって広い部屋とは、電製品や家具を売り込むため、それらの物品を「置くことが出来る場所」としての意味として住宅が存在する、という考え方です。
とはいえ、その家電製品も、かつては、ほとんどの家電製品を国内で作っていましたが今や、その多くが海外で生産されている状態になっています。
日本において消費とは、経済界にとって美徳なのかもしれませんが、個人にとっては自分の生活に不必要な物にあふれてしまう、そんなリスクをもたらす行為に他ならない、という意見がネットなどにより広まってきました。
また、最近のパソコンやスマホの多機能化は、これまでにないメディア形態、すなわち、今までビデオテープやcdなどの機材を全てパソコンやスマホ一台で完結することができるようになりました。
確かにスマートフォン1台では画面の大きさなどにより、様々なガジェットを代替するには厳しいかもしれませんが。しかしノートパソコン1台があれば、そこに外付けスピーカーなどをつけることによって、ほぼすべてのオーディやテレビなどの役目を代替させることができるのではないでしょうか。
とはいえ、それは利便性と自分の物欲との調整、ということにはなりますが…。とはいえ、「モノ」を買うことによる幸せは、それ自体が今の世の中では疑問視される状態かもしれませんが。
小さな部屋で生活を豊かに
とはいえ、狭い部屋で自分の生活を豊かに完結させることは可能なのではないかと私は考えています。
むしろ、その方が自分の好きなものに囲まれ、かつ、それは最小限の、しかし何も不便のない状態で生活できることなのですから、非常に良いことではないでしょうか。
テレビや一部のネットメディアは、これまでの価値観、すなわち、広い部屋に住み、良い車を持ち、といった価値観を商業主義の観点から促進しますが、、しかし、本当に、それらの物を持つ、事が必要なのでしょうか?
物を持つということは、それは、それらのモノが自分の生活スペースを圧迫するということに他なりません。また、電気代そして消耗品なども同時に発生しますから、それらのモノは存在するだけで自分のお金を吸い取っている存在、とも考えることができます。
また、全く逆に、自分の人生に必要なものを考えた場合、それらとともに過ごすには、必要最小限のスペースで良いのではないかと考えてしまいます。
また、最近iPadやスマートフォンなどによって電子先などもう多数出てくるようになりました。
また、紙の本の電子データ化についても簡単に比較的簡単に行う事ができるようになりました。
そのような意味では、人間が生きるための空間と、そこに、自分の人生に彩りを与えるための装置の必要体積や面積は確実に減少しています。
それらの技術の発展による恩恵を最も受ける事ができるのが小さな家ではないかと私は考えます。
むしろ、一人で住むのであれば、狭い部屋に住み、そして地方でも雪の降らない地域であれば、原付の一台でもあれば十二分に生活が完結できてしまうのではないかと確信に近く考えています。
今後、日本経済はどのように進んでいったとしても、それが上向きになる事はほとんど考えられないでしょう。
そのような中で、最も費用のかかる生活コストを、小さな部屋に住む事によって圧縮し、その分を貯蓄や自分のスキル向上のために用いる事は今後の混迷する社会を乗り切る上で、生活のベースとして最も必要になる考え方ではないでしょうか。
それは、物質的な幸福が限界に近づきつつあるのかも知れません。
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