テレワークの大きなデメリット
今回のウィルス騒ぎでテレワークの推進を企業や行政、立法とともに騒ぎ立てましたが、テレワークをして、いったい一体誰が得をするのか、と考えると実は、働く者ではなく、企業ではないのかと思うのです。
その恩恵が最も大きいのはホワイトカラーの仕事を行わせている企業ではないでしょうか。
為政者たちは、これまでに家庭団欒法案、ホワイトカラーエグゼンプションという名前にすり変わった働かせ放題、な法律をゴリ押しした前例もあります。
また、IT企業などでは裁量労働制が悪用されている事は周知の事実です。
そのような中で、企業はこれまで正社員と非正規社員を分け隔て、昭和のある時期までは正規雇用は当然であった雇用に非正規雇用言う区分を入れる事により、あたかも正社員がすごい事であるかのような誤ったイメージを垂れ流してきました。
現在の非正規雇用の行き着く先はいわゆる外注化になるのではないかと考えます。
その外注化の先鞭となるべき事象がテレワークなる言葉ではないでしょうか。
当然テレワークの場合、働く者の労働時間を管理する事が極めて難しいでしょう。
もちろん、ウェブカメラなどによって本当に働いているかどうかを監視する事も可能ですが、おそらく現実的ではない、なる詭弁によってあっさりと却下される事でしょう。
その結果として「請負」という、実質的には、その企業に属しているにも関わらず、極めて不安定な「働らかされ」方をする状態が常態化する将来が来るような気がしてなりません。
結局は企業とは行政などによって、しかるべき規制が行われないと人を使い捨ての駒のように使う傾向が非常に強まってきます。
しかも、一見働く側にとってメリットがあるようなふりをしつつ、です。
その一例として今回のテレワークというウィルス騒ぎにかこつけた企業の邪悪な企みと言えるでしょう。
テレワークのメリット
とは言え私は、必ずしも悪い事ばかりではないとも考えます。
本当にテレワークが普及した場合、一定程度食べられるだけの金額があれば、これまでよりも確実に個人の自由な時間が増えます。
ここで言う「食べられるだけの金額」とは、人の状況によってかなり変わってきます。
すなわち、今後、人口が減少していく日本で、空き家等の値段は地方部などに行けば限りなくゼロに近づくでしょう。
そうすれば、衣食住のうち、家、すむところを手に入れた事になります。
住むところさえ手に入れてしまえば、後は食べる部分と着る部分とは月数万円もあれば完結する事になるのです。
とは言え現在の教育制度は学校での行事や教室に詰め込んでの授業など、いわゆる旧態然とした工場での生産ラインで反復活動を行わせるような人材を作る教育に他なりません。
そのような、誰かに言われなければ何もできないような教育方法で、テレワークが本格的に導入された場合、自分で考える者と、自分で考えない者の著しい差が生まれる事でしょう。
これは生き方そのもの話にもなりますが、お金がどれだけあれば自分の生活を成り立たせる事ができるのか、どれだけの金銭が自分のライフスタイルに必要とするのか、という問題も、個人個人の思想によって全く変わってくるでしょう。
とは言えウイルスで日本社会が変わるのか、を考えるならば、悪い方法でしか変わらないのではないかと考えています。
3·11東北大震災の時にあれだけの多くの人が亡くなり、そして、原発爆発という最悪の大災害が起こった時に、「日本社会はこれで、きっと変わる」と私は甘い予測をしていました。
ウイルス騒ぎとテレワークの総論として
しかし、現実的にはどうでしょう。
現在まで日本の集団主義体制が変わる事なく、親の経済力に左右される受験競争、公立の公務員教員による管理教育、犯罪行為のブラック企業、それらは、そのまま変わる事なく続いている事を見るまでもなく、社会は劣化、衰退の一途をたどっているようにしか思えてなりません。
その結果としてのウィルス騒ぎは、この社会をより好ましからざる方向に導くのではないか、と私は考えざるをえません。
歴史は繰り返すのですから。
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