
古典的音楽業界の惨状と音源と環境の進化
今、音楽業界で食う、つまり、それを主たる生活の糧にする、という行為は至難の業だと考えています。実際、カバー曲の発売や、古参がドサ回りしているとか、かなり悲惨な状況と見れるかも知れません。
たとえばX JAPANの頃、1980年代後半などは「ヘビメタ」のX(JAPAN)がCDS100万枚売っていた、という時代もあったわけですから。
今の時代になって考えると、いわゆるバンド編成、つまり、ベース、ドラム、ギター、ボーカルで演奏する行為は物凄く贅沢な事だと思います。
当然そこには演奏するバンドメンバーの他にもサウンドテクニシャンなどの、いわゆる「音響さん」と呼ばれる方が多数存在していたのです。それは当然、音楽文化の底上げにも繋がっていしたでしょうし、また、音楽が様々な雇用を生み出していたことも事実でしょう。
しかし、今の時代、サンプラーなりシーケンサ使えば、それらは全て一人で完結して、ウェブを使えばすべて一人で完結してしまうのです。そのクオリティも素人が聞いたレベルではわからないレベルで、です。
ボーカルとかエフェクタでいくらでも改変できるわけですし、それらはDTMソフトを使えば、パソコン一台でできてしまうのですから。
また、ウェブサイトやいわゆるCDジャケットに相当する部分もウェブでそれらの請負をいくらでも探せますし、その代金も個人で払えない金額では決してありません。
もちろん、一定の音楽的教養を有する人にとっては、ギターなどの「古典的な生楽器」のテクニックや、音色に対する奥深さに対する理解はありますが、もう生の楽器で奏でる音楽は、たとえば油絵とか水彩画とか、そういった非常に趣味的で伝統的な分野になりつつあるのではないでしょうか。
別に私はバンドのサウンドが悪いとは思いませんし、バンドサンドmp趣味としては非常に面白いと思います。
また、逆に一人で成り立つ音楽も、それはテクノロジーの正常な発展の延長として、ま特にCDが売れないという状況下における音楽の作り方としては、非常に正しいことであると思っています。
バンドサウンド、DTMのどちらが良い、悪いという話ではありません。
アイドルという音楽の「進化」形
アイドルに私は全く興味が無いのですが、あれはあれで「擬似恋愛」としての集客方法としては、「あり」、なのでしょう。
アイドルグループにとっての音楽手法等は、サンプラーで4打ちして、エモーショナルなサビを乗せて、そこにリズム、ベース、メロディを鳴らしている、と認識しています。
アイドルに群がる「ファン」たちが音楽に対する造詣を持っているのかは、やや疑問に思うところです。アイドルは音楽性よりも、ビジュアルや「偶像」としての存在がまずありきで、その上での「音楽」でしょうから。
つまり、アイドルにとっての音楽とは、単なる「聴覚的な装飾の部分」に過ぎないとさえ、考えうるかもしれません。
とはいえ、私も若かりし頃とあるバンドにコピーまでしていた記憶があるのですがそれが今の10代は20代の前半の者であれば、バンドと、打ち込み系の音楽が両立で成り立っている、そんな状態なのでしょう。
例えば10代は20代の若い頃に、アイドルもしくはバンドにハマるというのは、それはそれで、ある意味では健全なことかもしれません。
ただ、それが三十代、四十代になって、アイドルのメンバーにハマってしまうのは「アイドルが非常に商売上手」といえるのかも知れません。
無論、それはそれで日本の消費行動を支えている行為なのですから、否定はされることではないですが。
「音楽」の意味を商品化させるアイドルたち
しかし、逆説的に、アイドルは「音楽」としては正しい進化とも考えます。むしろ今までのドラム、ギターなどの「古典的な生楽器の音楽」が古すぎた、可能性すらあります。
そんな意味で、バンドとしての音楽ではなく、もうすこし大きなくくり、としての音楽の正常進化として、「聴覚装飾になった音楽」、としてのアイドルは、時代の最先端かもしれません。
アイドルにとっての音楽は、「合うための」チケットを販売するためのツールになっている感すらあります。
実際。今の10代って、CDを買ったことすらない、それどころか音楽に金を払ったことすらない、という人多数ですから。
そのように考えると、「音楽付きのチケット」という音楽業界の進化は、皮肉にも正しい進化と言えるのかもしれません。
そうすることによって、音楽の内容はともかく、観客を動かすモチベーションには繋がっているのですから。
とはいえ、音楽とはエモーショナルな感情を揺さぶるものも存在しますし、芸術としての音楽が存在することも私は認めるところです。
ただ、ではアイドルグループの音楽で感動するか、問われると、それは少なくとも私は経験は全くしたことがありませんが。
おまけ
で、その商品を「旧来の流通に載せた」のがPerfumeですね。ビジュアルと音楽がギリギリの状態でバランスを取って存在感を主張し合っている、非常に完成度の高い存在かも知れません。
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